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ルックバックとか、ルックバックとか、ルックバックとか

  • 執筆者の写真: アニメーション研究会 東京造形大学
    アニメーション研究会 東京造形大学
  • 2024年6月29日
  • 読了時間: 4分

2023/06/28(金) 土砂降りの雨 記事:秋山

みなさんいかがお過ごしですか٩(ˊᗜˋ*)و

ルックバックの公開初日の昨日、アニ研の3年で、南大沢の映画館で観てきました。

めっちゃ辺境な映画館にもかかわらず、ほぼ満席。


星野「(原作漫画の)ルックバック(が公開されたとき)は、(内容の凄さに衝撃を受けて)筆を折った漫画家の漫画が流行ったから、オレたちもルックバック観てアニメーター廃業するアニメ作るべきかもしれない(笑)」


とか


伊藤「(原作履修済みなので)内容知っているから(作オタ的に押山清高さんの)画に集中して観れるからお得だね」


とか


軽口を叩いていた、我々一向。


しかし、観終わったら、その内容に圧倒されて、無言になってしまった。


星野「押山清高の画集を観てるみたいだ」


ザッツライト! その通り。圧倒的な画。画。画。


個人的には観る前は、おれたちの押山清高さんから『SHISHIGARI』を奪いやがって、おのれ藤本タツキさんめ、けっ! と思っていた。(※『SHISHIGARI』を知ったのは榎戸駿先生に紹介されてなので、とっても、めっちゃニワカ)




が! 観終わったら、藤本タツキ先生の絵が、押山清高さんの手で、そのままうごいてる〜めっちゃいい。

好き、好き〜♡ 至高! となってました。


アニメーションから絵描きの気分が伝わってきて、そうだよな! そうだよな! と絵描き賛歌の内容に背中を押されて。


とりあえず4コマ漫画を窓に貼って、トゥールズ(大学の画材店)からスケッチブックを仕入れてきて廊下に積み上げるところから始めようと思います。


ちょっとだけ真面目な話をすると


パンフレットによるとメインアニメーターの原動画でクレジットされています


原動画ってなんだ? インタビューによると

押山 :(略)アニメーターの原画をダイレクトに映像にしています。(略) 普通だとアニメーターの原画を動画マンがクリンナップするので、原画はフィルムに残りません。この工程で綺麗に線を整えた絵になりますが、原画が持つエモーショナルも抑えられてしまう。工業製品のようなゴミがない綺麗なアニメーションではありませんが、絵描きの気分が伝わることを大事にしました。

アニメーターの線を知りたければ、最終画面よりも、原画集を買って、原画マンの生の線を見たほうがいいよ、とアニメ研では言っていて、部会ではできるだけ原画集を持って行くようにしているのですが、これが理由です。


絵のことは言葉で説明するより素材を見た方が理解が早いので、現在鋭意制作中の『温泉と白湯』から、素材をお借りして説明します。


原画:伊藤大遥


動画:伊藤大遥


ルックバックでは、一部カットで、この動画という工程のクリーンナップ(清書)を無くしています。


手間省けるし、原画マンの絵が直接画面に出てくるなんて、一石二鳥ジャン!

動画のクリンナップはすぐにでも廃止にすべき! となりそうですが、そうもいきません。


押山:(略)なぜアニメが均一な線が多いのかというと、大人数で作るため、(略)動かしやすく、色も塗りやすいように。

そうです。


動画の次にゴミ取りと色を塗る「仕上げ」という工程があるのですが、この工程が、まともにクリーンナップがされていないと地獄になるのです。


本当に地獄になります。

本当ですよ! 大事なことなので3回言いますが。

本当に地獄です。


線が閉じていないとバケツ塗りができない、線にアンチエイリアスがかかっていると線に白い縁取りができてしまう、などなど、事故が発生します。

それが何百枚とあるわけですから。


まぁ、想像できますよね?


私は某大のアニメ研で動画と仕上げで取っ組み合いの喧嘩を聞いたことがありますし、これがきっかけで卒業まで口をきかない仲になったという話も聞いたことがあります。 仕上げ経験のある人が作った、きちんとした動画素材を使えば、仕上げは本来は、秒で終わるのです。サンプルに使用している伊藤の素材はまさに完璧でした✨


だからこそ素材不備による圧倒的修正の手間が呪われるのです。


その地獄を、他人に押し付けないように。アニメ研では、基本的に担当カットは仕上げまできちんと、同じ担当者がやることになっています。


線が繋がっていない使えない素材=💩 を自らの手で尻拭いするために。


色指定用仮仕上げ(+背景原図)


仕上げが終わると撮影


撮影(After Effects KW smoothing02)でアンチエイリアスをかけます


ルックバックでは、仕上げをどうやっているのでしょう。

きっと、とんでもなく大変だったと思います。


押山さんが以前に所属していたジブリは、OpenToonzという仕上げ撮影ソフトを使用しているのですが(アニメ研でも使っています)、アンチ有り線を仕上げできるので、仕上げはもしかしたらOpenToonzかもしれませんね。ここら辺の情報が出てくるのが楽しみですね。


話は戻りますが、ルックバックは本当に原画がそのまま最終画面になっていて、

本当に文字取り動く原画集のようでした。


ルックバック! 乙です。

画像はビンゴ大会で当てた学園祭のジャンパーを着て映画館へ向かう星野。


 
 
 

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